知っておきたい慶事と弔事のマナー

慶事と弔事の意味とは?

昔ながらの伝統をあまり知らない、冠婚葬祭のイベントに今まであまり接したことがないという若い世代の方には、慶事も弔事も同じようなものだと考えている方が多いようです。
確かに、どちらにも黒っぽい正装・礼装をする、お香典やご祝儀を包んで持っていくというイメージがあるため、確かに似ている部分はあるのですが、それぞれのシチュエーションでのマナーや言葉の意味合いは全く異なります。

これらを勘違いしたまま冠婚葬祭に関わると、本人や家族に対してとても失礼なことをしてしまうかもしれませんので、ここで一度おさらいしておきましょう。

まず、慶事とはお祝い事のことです。
例えば、結婚や出産など人生において大きなお祝い事をするときに使う言葉。
慶事の「慶」の字は、めでたいことやお祝い事といった意味を持つ漢字です。

一方で、弔事の「弔」という字は、弔う(とむらう)という字が使われています。
つまり、死者を悼む弔うお悔やみ事のイベントです。
葬儀や法事などが、含まれるでしょう。

どちらも儀式的なイメージが強いので、「慶弔」「冠婚葬祭」などと、まとめて使われることがあります。
しかし、それぞれお悔やみ事とお祝い事という全く異なる反対の意味を持つので、使い分けには要注意ですよ!

知っておきたい慶事と弔事のマナー

慶事と弔事、名前は似ていても全く異なる二つの言葉。
おめでたい慶事の席でお悔やみを連想させたり、反対にしめやかに故人を弔う弔辞でお祝い事を連想させるのは、本人や家族に対してかなり失礼な行為にあたります。
最低限の礼儀として、これは慶事に当たるのか弔事なのかをきちんと考え、その上でマナーを踏まえた服装・振る舞いに注意を払いましょう。

男性の場合、礼服仕立てのブラックスーツやシンプルな黒の革靴であれば、慶事と弔事、どちらでも使うことができます。
しかし、小物のネクタイやピンなどは慶事と弔事によって使い分ける必要があるでしょう。

慶事なら白やシルバーなどの明るい色のネクタイとチーフ、弔事ではもちろん黒のネクタイを使う必要があります。
弔事で、紺色や緑など濃い色のネクタイなら良いと思っている方もいるのですが、あくまでも黒のネクタイが最低限のマナーです。
また、略礼服として仕立てられているスーツ以外ではないビジネススーツは、慶事弔辞どちらにおいても正式な服装ではないため、注意してくださいね。

女性の場合、弔辞では控えめでしめやかな服装、慶事なら華やかにその場を盛り上げるような服装をするのがマナーです。
単にブラックスーツを流用するのではなく、慶事用・弔事用の服装やアクセサリーをそれぞれ用意する必要があると考えておくと無難です。
靴やバッグならアクセサリーの離脱によって両方使えるものなどが販売されているので便利ですが、服装においては慶事と弔辞で、使い回しは基本的にできません。